人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グンカンを求めて…撮れた(1)

グンカンを求めて…撮れた(1)_b0371494_21270060.jpg

前回の屈辱から一カ月を超えた。グンカンドリの噂はその後もチラホラと目にした。今は東京湾を脱して、九十九里にいるという。このまま見過ごすか?今週末は久しぶりに天気に恵まれたし、新潟の知ってるポイントに行けば小鳥類を確実に写せる。そこはオオルリ、キビタキ、ムシクイ類など渡りのレギュラー組はもちろん、運が良ければコマドリ、コルリ、ムギマキという珍鳥も狙えるという超美味しい撮影地。その他の鳥の飛来歴としてはヒレンジャク、サンコウチョウ、イスカ、クロツグミなどもあり、要は何が来るか分からないという場所。そこに敢えて文句を言うなら「楽過ぎる」ことだろう。今秋はまだ行ってないし、、、でも夏にやり残したことを、このまま黙殺するか?

グンカンを求めて…撮れた(1)_b0371494_21265940.jpg

ということで、台風による季節外れの暑さの中、意を決して九十九里まで車を走らせた。その距離、200キロ超。日帰り撮影の移動距離としてはほぼ最長。グンカンドリ類は本来日本に生息していない鳥で、Wikiで見ると生息域は赤道を挟んだ北半球・南半球の熱帯域の海洋だ。日本には稀に迷鳥として見られる程度(台風が運んでくるらしい)。この個体は千葉県内で保護されて、行徳の野鳥病院で治療後に放鳥された個体だと聞いたが、足環がない。もしかしたら今年頻発している台風に運ばれてきた個体かもしれないし、真相は不明だ。今は日本沿岸に留まって何とか生きているようだが、俺が心配しているのは季節が冬になって、この鳥が寒い日本の冬に耐えられるかどうかだ。印旛沼のモモイロペリカンの例もあるし、餌さえ取れれば何とかなるかもしれないが、実際その時どうなるかなんて誰にも分からない。行徳の野鳥病院は保護された場所で放鳥したのだろうが、本来彼らが棲むのはもっと南洋の方だ。せめて小笠原諸島辺りで放せば良かったと思うのだけど、いろいろ事情があるんだろう。

要は「撮影するなら今のうち」というわけだ。

グンカンを求めて…撮れた(1)_b0371494_21270047.jpg

高速道路を乗り継いで、さらに下道を走ること3時間超。グンカンドリがいるという漁港に到着した。見るとカメラマンがチラホラといる。みんなグンカンドリ狙いだろう。話を聞いてみると、先週は噂を聞きつけて数十人のカメラマンが押し寄せたのだという。珍しい鳥だからね。。。そういえば先週以降グンカンドリの噂をパッタリ聞かなくなったのだが、要は関東一円で動いてる主な野鳥カメラマンによる撮影が一周したから情報が流れなくなったんだろう。野鳥撮影は写真趣味の中でも一番カネと暇が必要だから、たくさんいるアマチュアカメラマンの中でも一番の少数派。だから今時の金を持ってない若い人たちには無理で、当然のように壮年層が多くなる。中でもカネと時間で一番豊かな団塊世代が大きな勢力を誇り、情報の発信や伝達も主に彼らによるものである。関東全体でおそらく数百人、俺の故郷の新潟では、何処に行っても「見たような顔」ばかりだから、おそらく数十人。新潟県内で俺と同世代と思われるカメラマンはほんの数人。高速連写の一眼レフと、明るい超望遠レンズと、それを支える重量級三脚と、一式揃えると200万近くになる。でも最近は軽量安価な超望遠ズームレンズも出回ってるし、APS-Cタイプの高速連写一眼レフも出回ってるし、ハードルも低くなっているはずだ。俺が使ってるD500なんか発売当初こそ20万を超えていたが、今は14~5万で手に入るし、中古はもっと安価なはずだ。超望遠ズームもシグマやタムロンの100-400ミリズームが6万円ほどであるし、その気になれば飛び込んでこれるはずなんだけどねぇ。

グンカンを求めて…撮れた(1)_b0371494_21270079.jpg

話が横に反れてしまったが、漁港にてカメラをセッティングして、待つこと一時間。
今日は暑いなぁ…とボヤっと考えていたら、隣から「来た」という声が聞こえた。

翼開長2メートル。俺が過去見てきた鳥の中では最長のはずだが、身体そのものはそんなに大きくはない。この大きな翼と軽量な体で飛翔能力は高い。この個体はまだ若鳥のはずだが、大きな翼を羽ばたかせ、雄祐と飛ぶ姿に一瞬見惚れる。たぶん俺が生きている間に二度と見ることはないだろう(そういう意味では2月に見たクマタカより確率は低い。)。

とにかく、カッコイイ。


グンカンを求めて…撮れた(1)_b0371494_21265914.jpg


Commented by itohnori2 at 2018-10-08 17:06
Ki43-oscarさん、こんにちは。
 ついにやりましたね。
おめでとうございます
幼鳥なのですか?
ネットで見ると、胸が赤い写真がありましたが、オスの成鳥なのでしょうか?
それとも、夏羽、冬羽の違いなのでしょうか?
Commented by ki43-oscar at 2018-10-08 21:31
> itohnori2さん
ありがとうございます。

これは幼鳥ですね。
胸に赤い風船が付いてるのはオスの成鳥です。アレを膨らませて優劣を競うようですよ。
夏羽冬羽のことはよく知らないのですが、元々が熱帯域の鳥なので、季節の羽替わりはないものと思います。
Commented at 2018-10-09 20:11
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2018-10-09 22:00
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ki43-oscar at 2018-10-10 23:52
>鍵コメさん
そうですか…教えていただき、ありがとうございました。
by ki43-oscar | 2018-10-07 22:42 | オオグンカンドリ | Comments(5)